長年、北海道のちびっ子たちを育て続けているおやつがある

坂のビスケット。それは長年に渡り元気な道民キッズたちのおなかを満たし続けた老舗ビスケットメーカー。

代表作は例えばこれ、ラインサンド

坂栄養食品株式会社(以下坂ビスケット)のラインサンド。道民ならみんな知っている。公式には販売価格280円とあるが、実勢価格だとぐっと下がって230円くらいかな。工場隣の直売店にいくと160円とお得に買えることもある。最近の小麦高騰により今後の価格変動が大きいかもしれないけど、買って損はしないお味です。だけど最近「お店で見かけなくなった」の声もちらほら。こういう老舗メーカーの作り出す味は途絶えてしまうと難しいものがあるので、是非応援していきたい。

これを食べれば道民の仲間入り

坂のラインサンドは、北海道に移住してすぐに食べた覚えがある。地元メーカーというのは新参者の憧れだ。これを食べたら胸を張って道民ですと言えるような気がした。1953年から販売しているロングセラー商品、地元の人が長年食べてきた味はこれだよというなら知っておきたい。これを食べればあなたも道民の仲間入りッ!

お土産にも非常食代わりにも良さそう

低価格なので10個買っても2000円代。お土産にもいいし、なにより道民出身者にはなつかしいと喜ばれるのではと思う、とくに昭和期にちびっ子だった年齢の人たちには。賞味期限も製造から約1年はあるのではないだろうか、とても長い。非常食替わりにいくつか持っておくのも良い。以前工場の売店で購入していた時にお店の人が「うち保存食もやってるからその関係で(技術で)長いのよ」と言っていた。その時は売店にアルミパックに入った保存食が売られていたはずだけど、今はやっていなのか、見つけられなかった。

坂のラインサンドは、おいしくなっている

以前に食べてた頃より、おいしくなっている(気がする)。

10年前のものと並べて食べ比べるわけにいかないので正確とは言えないが、最初に食べた時は見た目はビスコだけど全然違うんだなと思った。ビスケットも、もっと硬かった気がする。最近になってもう一度食べると味は変えずに食感を変えたのか、見た目も香りもそのままに、軽くおいしく、食べやすくなった。正直に言うとはまってしまった。端的にどんな味?と言われたら私含めたいていの人はきっとビスコと答えると思う。昔より軽くなったとはいえビスコよりも生地がしっかりとした満足感がある気がして、そのあたりは単に大きさの話かもしれないし、坂贔屓バイアスなのかもしれない。ビスコもしょっちゅう買うくらい好きだけどね。

色も以前より自然な色合いになったような気がする。前もっと黄色かったような。昔と色素の材料が違うのだろうか、それとも記憶違いか…以前との違いは不明だが現在色素はクチナシとパプリカ使用なので安心。

長年ちびっ子の笑顔を作ってきた坂のラインサンド
一つ割ってみた。ビスコよりも生地が黄色いのが特徴。

「坂栄養食品」か「坂ビスケット」か

坂栄養食品株式会社は「坂ビスケット」と呼ばれることが多い。道民なら坂ビスケットの方がなじみがあるんじゃないだろうか。というか公式サイトも見出しが「坂ビスケット」になっている。私も新参者の頃から迷わず坂ビスケットと呼んでいた。おそらくスーパーのポップや値札にもそう書いてあったのだと思われる。工場隣の売店も大きな文字で「坂ビスケット」だ。商品パッケージ裏は正式名称の「坂栄養食品」。

製造者は坂栄養食品株式会社。創業明治44年、札幌の老舗メーカー

ビスケットは戦後しばらくまで「医者も勧める栄養食」として扱われる向きがあった。

本来牛乳(場合によってはタマゴも)が使われるのでそのカルシウムやビタミンミネラルもあるし、小麦も微量のビタミンが含まれている…まあそういう部分も一応あるけど、実際のところ一番の理由は消化が良く高カロリーなので病中病後や小さい子の体力をつけるのに良かったのだろう。

今は高カロリーな食品は際限なくあるけど、戦中戦後でみればビスケットは間違いなく高カロリー食品だったし、同じような理由でたまごとバターが多く使われるマドレーヌも、経済的に多少無理をしてでも病人に食べさせたりしたと聞く。

昔はカロリー≒栄養だった。

ビスケット=栄養食とみなされてきたせいか、今のような”栄養食品”が誕生するより前にビスケットにプラスアルファの栄養素を足して現在の栄養食品の先駆けのようなお菓子を創り出してきたのもまた昔からのビスケットメーカーに多い。

工場前の看板は「坂のビスケット」。字体がかわいらしい。

工場前の門やドアは「坂栄養食品株式会社」。正式名称はこちら。
ビスケット工場沿いの道。ここを歩くとほんのりビスケットの甘い香り

ビスケットを買った帰り道、排気口がならぶ工場の側道を歩くと、甘い香りのする排気口が一つ。今日はここのラインが稼働しているのかな~全部は動いていないのか、曜日によってラインを変えるのか…よくわからないけれどとってもいい香りで嬉しい気持ちに。

この排気口からとてもいい匂いがした。ラインサンドの匂い

工場の先には札幌市西区のシンボル、その名も三角山がきちんと三角に見えている。

三角山。札幌市西区のシンボル的存在。
歩いていける距離にあるがヒグマが住んでいる

今回久しぶりに坂のラインサンドを、わざわざ工場隣の売店まで買いに行ったのに、なぜか日和ってお徳用の大袋ではなくスーパーでも買える小袋を買ってきてしまった。

でも久しぶりに食べておいしかったので次回は迷わずお徳用の大袋を買って来ようと思う。

以前は大きな袋パンパンに「割れラインサンド」が入って100円で売られていたけどそれはもう販売されていなかった。

そんな訳で長年北海道キッズの定番だった坂のビスケット、ラインサンドをよろしくね。公式オンラインショップもありました。おいしいよ。


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