北海道開拓の村。私はここが札幌一と言っても過言ではないくらい好きで年間パスが手放せないほどでしたが、その村内に、駅(実際には開拓の村受付)からまっすぐ伸びる駅前ストリートを模した一本の通りがある。
その最初の建物がこちら
旧来正旅館。待合旅館といって馬車や鉄道の駅の待合所と旅館を兼ねた建物で、一階は待合休憩所や宿主の居住場所、二階は旅館に泊まる客向けの部屋がいくつかあるという形になっている。旅の途中ここで軽く食事をしたり寝泊まりしたりと過ごすのだろう。
こちらの建物はあのゴールデンカムイの作中にさりげなく何度も別設定で登場しているたいへん味のある建物。
まず受付を済ませてすぐ目にする角度のこちら
こちらは温泉の奥の森に合った都丹庵士たちのアジトのモデル。
尾形「あの廃旅館がやつらのアジトだ」
(第123話 形勢逆転 より)
そして逆側から見ると
白石が遊女に会いに行くために入っていった高級店。
白石「今日はちょっとだけお高めな店の遊女に聞きこみといくか
(第33話 『呪的逃走』より)
遊廓の資料を見ていると、この角度で見る遊廓の楼に大変よく似た造りというか、そのものなのです。どちらも旅館の類なのである意味では当然かもしれませんが。モデルとなっている旧来正旅館は遊廓の建物ではなく普通の旅館です。
ちなみにその次のコマで白石がのれんをくぐろうとする場面ではこの待合旅館ではなく蕎麦屋ののれんに切り替わっている。これは作中にも説明があるように当時表向きが蕎麦屋で実態が娼館というものが横行していたことによるもので、ちょうど開拓の村のこの旅館のとなりがそのモデルとなった蕎麦屋になっている。
白石「ルンルン」
牛山「よぅ…白石由竹」
(第33話 『呪的逃走』より
こちらの建物もゴールデンカムイに複数回登場している。また別記事で改めてゆっくりとりあげたい。
そしてこの来正旅館は建物の中も心に残るような重要な場面にたびたび登場しているのでそちらを次回あらためてゆっくり取り上げていきたい。
“旧来正旅館はゴールデンカムイの聖地の中でも非常に色んな建物のモデルとなっている|ゴールデンカムイで寄り道さんぽ#15” への2件のフィードバック
[…] 今回は前回取り上げた旧来正旅館の中へ。 […]
[…] 作中では下の画像の建物と隣接していた。こちらは開拓の村に移築された古い旅館。詳しくはこちら […]