ステラプレイスでゴールデンカムイの特別展示やってます
普段人がいないところを狙うかのように散歩している傾向があるのであまり札幌都心部にはいかないのですが、先日札幌駅に立ち寄るとステラプレイスの3階でゴールデンカムイ映画公開記念の特別展示をやっていました。そんなにかしこまった(かしこまった?)ものではなく、通りすがりに立ち寄れる歩行スペース(東コンコース)に飾られているという手軽さが良くて立ち寄ってみました。
実際に映画の撮影で使われたという衣装がメインの展示でしたが、他の展示も良かったです。
アシリパさんの衣装展示。一段高くなってるのとても良いですよね。この方が靴までよく見ることが出来ます。
きちんとしたマキリに感動。
映画化に際しアイヌ工芸家の貝澤守さんが一から作成したそうです。原作者の野田サトル先生も登別のアイヌコタン(ユーカラの里)で作品制作に際し高級な手彫りのマキリを購入しています。ゴールデンカムイは小物に至るまでアイヌへのリスペクト、北海道へのリスペクトが凄い。
映画の撮影背景などを記したボードも読み漁ってしまい
そして個人的に感動したものの一つは金貨です。これは作品特有のものなのでアイヌ文化の施設に行っても北海道中を観光しても見られるものではありません。物語の世界に少し入ったような気分になれます。
アシリパさんの弓。弓に使われてるのは単純な木の枝ではなく、芯となる枝に細~く裂かれた桜の皮が巻き付けてあるのですね。こんなに丁寧な造りの小道具をみてちょっと感動を覚えました。今までアイヌの文化施設でみた弓もこうだったろうか?じっくり見ていなかった…と気づかされた展示でした。
そしていつもアシリパさんが頭にかけていたこちら
これもおおーっと思いましたね。通常この種の材料で作られたものはとてもゴワゴワと固いのですが、日々使い込んでやわらかくなった感じまで出ていました。
そしてなんといっても靴の造りが凄かったですね。
アイヌ施設には結構行ったことがあるのですがこの鹿皮の靴は初めて見たかもしれません。このすばらしい鹿皮の靴を見やすくするためにアシリパさん衣装が一段高く展示されている気すらするので(いや全体的に素晴らしいのですが)、見に行かれる方はぜひ時間をかけてご覧いただきたいです。
鹿革のこの靴を見ながら、北海道中を舞台に駆け巡る登場人物の姿が目に浮かぶような感覚がありました。
特別展示で気が付いたここから見られる”札幌の明治”
それでですね、ここからちょっと余談になるのですが、特別展示を一通り見終わって気付いたんですが、この建物(JRタワーステラプレイス部分)すごいなと。
ちょうどここは吹き抜けになっていて、そのためにガラス張りの部分の景色が広く広がる造りになっているのです。そのガラス張りの部分、札幌駅前通りの真ん前に来るようになっています。
で、3階からふとその景色を眺めると、「あ、これ…明治からの札幌なんだ…」と。
明治から脈々と続く札幌の姿がそこに発見出来ました。
ちょうど今立っているあたりが旧札幌駅。ゴールデンカムイの作中では尾形や土方、夏太郎たちが札幌駅前で物売りの恰好をしているコマがありましたが、今立っているところがそのコマに出てくる場所で。そしてガラス張りの向こうに映る札幌は令和の姿でありながら道の作りは当時とほぼ変わっていません。駅からまっすぐ続くこの道は当時(札幌停車場通)からほぼそのままですし、道の真ん中の中央分離帯は路面電車があった名残りでもあります。
当時のままの建物というのはここから見える景色の限りではないですが、この通りにある敷島ビルなんかは昔から(大正には今と同じあの場所に)ありましたし、代替わりして昔の場所のまま続いている建物って結構あるんですよね。
近くにある丸井今井も明治から、明治から続く薬局一の薬店もありますね。こうして明治から今までつながっているんだなと、この景色を眺めながらぼんやりと感じていました。
令和の今、窓の景色の向こうに明治を眺めるさんぽとなりました。
ゴールデンカムイで寄り道さんぽ#12 ステラプレイスの特別展示