前回、鶴見中尉の背景に映った建物を見たが、今回はそのお向かいのこちらの建物。
鶴見「狙いは銀行だ」
(第34話 『接触』より )
土方歳三が襲った銀行のモデルとなった建物である。実際最初は銀行として建てられた(旧第百十三銀行小樽支店)。(※ちなみに動画では間違えて上記の台詞を土方歳三のものとして字幕をつけてしまった。この記事の一番下にある動画です…。正しくは土方歳三が警察や第七師団の目を他に向けるために先に騒動を起こしておき、その本当の狙いにいち早く気付いた鶴見中尉の台詞)
上の画像の旧第百十三銀行は小樽支店として二代目となる建物で、最初の建物も残っており、上の画像の場所から歩いて2分くらいのところにある。
こちらがその旧旧第百十三銀行となる建物。小さいながら立派で今も姿を残すくらい堅牢な建物であるが、この銀行を建ててからわずか15年で上記の大きな銀行を建ててしまった。当時の小樽の繁栄ぶりが分かる。
前回の記事で取り上げた鶴見中尉の背景の建物と土方が襲った銀行のモデルは、実際には川を挟んでこのような位置関係になっている。小樽はこのようなすごいテンポでゴールデンカムイの世界の端々を見ることが出来る。
小樽自体が明治の景観をできる限り残す方針なので街を歩くとゴールデンカムイの時代と現代とをさまようかのような一味違った街歩きが楽しめる。
作中でこの銀行は、遊女たちのいる店と隣り合わせになっていて土方はその楼の壁から銀行の壁をぶち壊し銀行を襲うのだが、実際にこうしてこの銀行は二つの建物が接触して続くような構造になっている。下の画像だと2棟続きなのが分かりやすい(屋根が分かれている)。
秋はこの建物が一番美しい時かもしれない。
作中では下の画像の建物と隣接していた。こちらは開拓の村に移築された古い旅館。詳しくはこちら
鶴見「土方歳三」”ダァンッ”(銃声)
(第34話 『接触』より)
上の画像の一番右の窓から、鶴見が馬に乗った土方を狙い、両者は瞬時に撃ち合う。その一瞬、ものすごい力のある目を持った二人がほんの少し余裕ありげに睨み合う一コマは、これから始まる争奪戦がすぐには終わらない壮大なものであることを予感させ、ファンとしては鳥肌が立つ名シーンとなっている。
その後土方歳三が馬で走り去る方向にはこの街並み。作中は明治時代の街並みをきちんと再現しているが、今もその雰囲気をなかなか残しているように思う。この古い建物をたくさん残した通りは小樽観光のメインストリートでもある堺町本通り。
動画派の方はこちらも是非ごらんください。今回のテーマ、土方歳三が襲った銀行のモデルも登場します。
旧第百十三銀行の場所はこちら