「いわば…ゴールデンカムイか」教会の内部と外観|ゴールデンカムイで寄り道さんぽ#44

鶴見中尉「鯉登 月島 菊田は 別れた部下たちを探してこい

追跡者を排除するまでは教会には戻ってくるな」

ゴールデンカムイ第264話『小樽の病院で見た女』より

鶴見中尉「帝政ロシア相手に戦ってきたゲリラだ 決してあなどるな」

ゴールデンカムイ第264話『小樽の病院で見た女』より

鯉登少尉(あの女と何を話すのだろう 非常に気になる)

キョロキョロ

ゴールデンカムイ第265話『鍵穴』より

鶴見中尉「二階堂!外で待機して教会を見張れ 教会の前にいるとバレバレだから離れたところで隠れていろ 鯉登たちが戻ってきても教会に近づけるな 包囲されないように外で守りを固めろ」

正面玄関

タタタッ(走っていく二階堂)

ゴールデンカムイ第265話『鍵穴』より

月島(なにか部下に聞かれたくない話でもするのだろうか?)

パタン……(ドアを閉めここに入ってくる鶴見中尉)

ゴールデンカムイ第265話『鍵穴』より

鶴見中尉は教会のドアを行ったり来たりで部下を外に配置したがり、なかなか話し始めません。かなりの重要な話しが始まろうとしている、緊張感が漂うシーンでした。

教会の内部のモデルは北海道開拓の村にある旧浦河公会会堂、外観のモデルは札幌市にある札幌教会。歴史ある美しい建物です。

内部のモデル旧浦河公会会堂はこんな感じの素朴な木造の建物です。

内部が作中の教会のモデルとなっている旧浦河公会会堂
雪やつららのようすが美しかった

でも外観ではなかなか教会とは分かりませんね。普通の木造家屋の一つに見えます。以前とった写真には、この建物には教会らしい十字架が掲げられていたのが分かります

旧浦河公会会堂には以前十字架があった

十字架は現在なんらかの事情で取り外されたようですね。

旧浦河公会会堂は明治27年築。まだまだ北海道がその足元を固めている最中といった時代に、こうして木造で素朴ながらもたいへん美しい建物があるところに、人々の教会に対する思いを感じます。

そして外観のモデル札幌教会。塔があってたいへん美しい。丸いステンドグラスも作中そのまま描かれています

美しい石造り、青い屋根の明治時代の建物 札幌教会

札幌教会は明治37年に竣工。その前にも教会はありましたが建物が火事で焼失しているため、がんばって石の教会を建てたのだろうと思います。明治37年は日露戦争が開戦した年。色々な苦労があったことと思いますが、こうして120年経った今も北海道の暴風雪に耐えながらその美しい姿を残しています。ここは札幌テレビ塔のすぐ近くで今や大都会。ビルに囲まれながらここだけ明治の光景でとても美しいのです。個人的には札幌に来て最初に美しいと思った建物でした。ここだけがおとぎの世界のように見えました。

石川啄木「ここが教会だから…あっちか ん? これは… わかったぞ!」

宇佐美(この教会の外壁と塔の影から石川啄木の背中を見ている)

ゴールデンカムイ第247話『決まり事』より

この塔はすごいですよね。なかなか無いです。ただただ美しい。石はおそらく札幌軟石だと思うのですが崩れている様子もなく札幌硬石かと思う程。大切にされてきた教会なのが分かります。暴風雪でもこのガラスは割れないのでしょうか。今後も永く札幌にあって欲しい美しい建物。

旧浦河公会会堂からはこの椅子も見ておきたいものの一つです

鶴見中尉「いわば… ゴールデンカムイか」

第271話『まだら模様の金貨』より

厳密にいえばこの3つの椅子はそのまま作中もこの場所(部屋の隅)に描かれていて鶴見中尉は別の椅子に座っていることになるのですが、教会内に鶴見中尉の座っていた椅子と同じ形なのはこの3つ並んだ椅子の真ん中一つだけです。

鶴見中尉「それは何だ アシリパ 教えなさい」

アシリパ「ホロケウオシコニ」

第271話『まだら模様の金貨』より

上から教会の中を見下ろすような角度が多いですが、この教会は二階があり、今でも上ることができます。一般が二階に上がれる数少ない建物の一つ。

一番奥が階段。このように一部だけ二階になっている。
2階から見た光景。二階には昔使われていた教会の鐘などの展示がある

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