土井新蔵のいた鰊漁場|ゴールデンカムイで寄り道さんぽ#35


根室の漁夫「そんでよぉ~ そのチンピラが五人くらいでかこんで来るもんだから… 一番強そうなやつの頭を石でカチ割ってやったのよ! 殺してやってもよかったけどよぉ~」

ゴールデンカムイ第152話 『人斬り』より

根室の鰊漁場のモデルとして登場しているのは上画像の旧花田家番屋かと思われる。場所は北海道小平町。人斬り用一郎がいたのは根室だが、実際は根室からは450㎞近く離れた所にある。

現存する鰊御殿で日本一と言われる壮大な規模の鰊御殿で周囲にニシン漁で使われた道具も多数残されている。

親方家族の住むところなのか中庭までもが美しく作られている

堂々たる姿の旧花田家番屋
海に向かって建つ。海の男たちの城であり戦場といった佇まい

敵を取りに来た一派

 「あ…!!」

   「こいつです」

     「なに?こいつが人斬り用一郎か!?」

ゴールデンカムイ第153話『京都』より

この漁場で働く土井新蔵が若いヤン衆の一人とぶつかってひと悶着おきそうになる場面がある。

漁夫1「痛えなジジイ まっすぐ歩けよッ」

漁夫2「おまえも若いんだから避けろよ じいさん大丈夫か?」

ゴールデンカムイ第152話 『人斬り』より

いわゆるモブとしてこの回だけ登場する漁夫たちだが、ヤン衆と一括りにされる人々にもそれぞれ個性があり、まさに「いい奴ばかりじゃないけど悪い奴ばかりでもない」の状況を少ないコマ数で存分に表現してくれる神技術。教科書では伺い知れない北海道の当時の労働者の様子までもを描いてくれている。

土井新蔵は死に際について考えていたようであり、脳の変化もすでに起こっていたような描写がある。土方歳三もすぐそれに気づいたようであったが、土方歳三は最後までそれを口にすることはなかった。

牛山「えらく強いジイさんだったんだな 説得して仲間に引き入れるのか?」

土方歳三「いや… あいつは もう…」

ゴールデンカムイ第153話『京都』より

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