前回に続き旧浦河支庁庁舎です。
この美しい階段がたくさん出てきます。階段も後ほど名シーンと共に詳しく見ていきますが、実はこちらの建物入口も作中登場しています。第52話で牛山と杉元が組み合うシーン。台詞はありませんが1ページまるごと使っての名シーン。二人とも鬼の形相で掴み合います。
二人ともちゃんとホテルの外に出てやっていたんですね。ホテルの備品など壊さないように。まあホテルはその後バキバキに壊され爆破までされてしまいますが……
一階にも二階にも何部屋かあり、そこが作中の客室ということになるでしょうか。二階の部屋には北海道のあかりや暖房器具が展示されています。札幌世界ホテルの客室にもベッドわきに美しいランプが置かれ、何度も何度も描かれていたのですがそれと同じものが見つけられませんでした。こんなにたくさんあるのに!
上のランプは白石が地下に閉じ込められ脱出しようとしている時に映るランプとほぼ同じ型
白石「よし…もうちょい」(カチャカチャ)
(ゴールデンカムイ第52話 『無い物ねだり』より)
アシリパ「なんか落ち着かないな」
杉元「山では松の葉を敷いて地面で寝てるもんね」
ゴールデンカムイ第51話 『殺人ホテルだよ全員集合!!』より)
ここは開拓の村なので、窓からの景色がゴールデンカムイファンにとってはたいへん豪華。
土方歳三のアジト(左手前)、エディーダンの部屋の外観のモデル(奥の白と緑の枠線の建物)、石川啄木と共に登場する新聞社の建物(右の3階建て)など、多くのモデルとなった建物が並んでいる。
続いて美しい階段の名シーンの数々。この支柱の装飾が外観とも合っていて素晴らしいと思っています。洋風建築にこんなにすぐ対応できるのは、これまでの日本建築の大工さんたちの素晴らしい技術があってこそでしょうね。神社なども彫刻が素晴らしいですし。
キロランケ「アシリパが気を失っている」
杉元「地下は火の海だ!!すぐ脱出するぞッ!!」
(ゴールデンカムイ第54話 『ことづて』より)
白石「爆薬を袋ごと火の中に落としちまったッ」
(ゴールデンカムイ第54話 『ことづて』より)
杉元「ええっ?」
一同「うわああああ」
(ゴールデンカムイ第54話 『ことづて』より)
この時代の建物の特徴として、階段の長方形の窓ガラスが詩的で美しい。
今であれば硝子技術の向上でここは一枚の板ガラスにするところだが、この時代は格子のガラス。こういう場所にくるとしばし見惚れてしまう。
ちなみにこちらの建物の1階一番奥の部屋は支庁長室。作中ではエディー・ダンの応接室として登場する。
使用人「エディーさんッ また出ました!!」
(ゴールデンカムイ第64話『悪魔の森のオソマ』より)