あの香り再び…花月堂再訪で一年越しに滝川旅情を買うさんぽ


以前の記事で触れた、花月堂。北海道滝川市にあるケーキ屋さんです。

こちらのパウンドケーキが食べたいのです、食べてないけど絶対おいしいんですという内容の記事を書いてからというもの、どうしても食べたいという思いが強くなりまして。

行ってきちゃいました。

一年ぶりの滝川市。前回は気が付かなかったのですが、滝川駅近辺にはおそらく歴史があるであろう建物が結構残っていました。特に一瞬通り過ぎた北洋銀行滝川支店の建物は素晴らしかった。詳細を知らないので完全なる憶測だけどあれは大正~昭和初期の拓殖銀行あたりの建物ではないだろうかなどと勝手に思いを巡らせております。絶対に当時名のある所でないと建設不可能な、宮殿ぽい優れた建築物でした。

車中により写真が撮れないのが残念でしたが、滝川市の市街地辺りもいつか歩いてみよう。

花月堂前。長閑な景色の中にあるがなんとなく
以前はちょっとした商店街だったような感じもある

花月堂も、本店は駅からそう離れていないのですが、急にぽつりぽつりと建物が点在している感じの中にあり、こんな景色だったかな?もっと商店街っぽい都会な町並みだったように記憶していたのですが。一年前にちょっと一瞬寄っただけなこともありすっかり忘れておりました。でも今あるお店などから察するにおそらく以前は(昭和頃)もうちょっと栄えた通りではなかっただろうかと偲ばせる気配はありました。喫茶店もあったりしますし…

上の画像に映っている一本道。この道は蔵前通という名称で、まっすぐ駅へつながっています。以前はもっと商店があったのかもしれません。

そうそうこの外観はちゃんと覚えてました、招きねこの絵もそのまま。たかが一年で感慨にふけることしばし、入店。

お菓子の宮殿みたいな外観。

二重扉を越えて入店するとやっぱりとってもいい匂い。

タヌキとしばちゃんは30円値上がりしていたものの健在。しばちゃんは全体的にさらにかわいさのレベルが高くなっているようにも見えました。

そして、お目当ての、パウンドケーキが、見当たらない。

パウンドケーキがキラキラ輝きながら大小並んで置かれていたはずの場所には、あんドーナツが並んでいました

前回はこんな感じでキラキラなパウンドケーキがならんでいました。
お値段も良心的

勇気を出して店員さんに聞いてみると、今ちょっとないんです~とのこと。たまたま今日売り切れとかで、再訪したら出会えるかなと思ってさらに「日によっては(店頭に)出ている日もあったりしますか?」と聞いてみると、一瞬間があいた(ように思いました)あと、『今ちょっとお休みしてるんですよ~』と答えてくださいました。休止、廃盤、そんなものが頭をよぎりました。ああなんであの時買わなかったんだろう。シロップでテカテカ輝いていた、昭和からの見た目っぽい、おいしそうなパウンドケーキ…

そうそう、こちらの花月堂といえば滝川旅情だった、と思い直して6枚入り980円を購入。保冷剤やがっつりしたクーラーボックスを持っていればショーケースに並んでいるレトロかわいいケーキも買えましたが今回は常温のお菓子のみで我慢(それすらも保冷剤入り簡易クーラーボックス入れてしまう小心者)。車内は暑くなりますのでね

帰ってさっそく包みを開けます。包装紙が渋いですが店に歴史を感じられて良いですね。昭和26年創業だそうで、この包装紙はいつからこのデザインなのかは分かりませんが近年のオシャレなケーキ屋さんの包装紙とは違った良さがあります。

個包装のパッケージは可愛らしい感じ。

滝川旅情はこんな感じ。

こんがり焼き上げたいかにも香ばしそうな色。実際良い匂い
アーモンドたっぷりのクッキー生地がホワイトチョコをサンドしています
ホワイトチョコたっぷりなのがわかるこの見た目

アーモンドを主原料に、結構たっぷりのホワイトチョコがサンドされていました。小麦に関しては滝川産を使うというこだわり。道内のお菓子屋さんであれば北海道産小麦使用はすぐ銘打てますが滝川産というのはすごいですね。だからこそ滝川銘菓にふさわしいとも言えます。

お味は…おいしい!!!

『滝川市は北海道石狩平野の北都石狩川と空知川の合流点に位置し、昔から交通の要所として発展してきた町です。当社では、旅の思い出にいつまでも心に残る愛されるお菓子を独自の製法で作り上げました。

アーモンドを主原料として、上白糖、バター、小麦粉で焼上げ、サンドにホワイトチョコレートを配しました。まろやかな、こくのある、おいしさ、これが銘菓 滝川旅情です。』

花月堂 滝川旅情個包装裏面より引用

パッケージから察するにホワイトチョコは雪を模しているのでしょうか。アーモンドたっぷりの茶色のクッキー生地は滝川の肥沃な大地のようにも見えてきます。

「白い恋人」や「き花」もそうですが、ホワイトチョコは日本初のものが北海道で出たのをきっかけに、北海道土産に一大ブームを巻き起こした時期がありました。乳製品や白い雪など、北海道のイメージにもつながりが良く、目新しくもあったホワイトチョコレートは、北海道土産としてものすごい勢いで人気を博した時期があったのです。北海道土産=箱びっしりにはいったミニホワイトチョコレートだった時代がありました。今だいぶ減ってしまい、見かけると嬉しくなるくらいですが…

話を滝川旅情に戻しまして、見た目の華やかさという点で6枚980円は正直高くも見えたのですが、たしかに材料はこだわっているし美味しいです。どなたに渡しても間違いのないお土産ではないでしょうか。ザクザク、いい香りで香ばしく、ホワイトチョコタップリ。

系統としてはき花に近いでしょうか。色からも分かるようにき花よりビターで大人向けですね。コーヒーに合う大人の味かもしれません。

食感はともかく味としてはブールドネージュ、ポルボロン、アーモンドボール、アーモンドクッキー…といったお菓子が好きな方にはうってつけです。

さっきビターって書きましたが、決して焦げっぽくはないですよ、ということを写真の色の濃さから心配される方のために申し添えます。本当にきっちりよく焼き上げた香ばしさで、ホワイトチョコの甘さに対応するようにアーモンド生地の方は少し甘さ控えめという意味でのビターな味わいです。