先日、鴨々川を眺めていました。鴨々川はすすきののすぐそばを流れる都心の川です。
風情ある川で、川沿いの雰囲気も良く、川を眺めるための小さな橋もたくさん設置されていて結構癒しスポットです。
札幌市の建てた看板ではここには鯉がいる(放流している)ということになっていますが、実際は鯉以外に”野生の魚”とでも言うべきか数種が群れを成して無数に泳いでいるのを見ることが出来ます。この魚たち何の魚でしょう。本当に無数にいます。鯉と一緒になって泳いでいます。
おー毎度ながら自然の魚もたくさんいるななんて思いながらしばし観察。川に魚がいる、当たり前のことながら尊い光景です。
薄野遊廓の名残ともいえる柳の木が残る鴨鴨川。
薄野遊廓跡の中を流れる訳ではありませんが、すすきののすぐそばを流れており、その雰囲気は最近まで色濃く残っているエリアで薄野遊廓があったころには鴨々川沿いも柳の木が続き提灯がともっていたとも聞きます。
そんなわけですすきの横を流れる鴨々川は、今では札幌でも最大都心部を流れる川ということになりますが、そこになんと遡上してきた鮭らしき魚が2匹いました。
うろこはかなり剥がれ落ち、泳ぎ方も少しよろよろですが、鯉とはまったくフォルムが違いサケ・マスの部類なことは一目瞭然でしたが何鮭かまでは分からず。サクラマスにも似ていましたが秋なので時期が違うでしょうか。
背びれはもうほとんどなくなっています。ゆったりとその場にいるだけの鯉とはことなり、明らかに行く場所があるんだという感じでそわそわ泳ぐので余計に目立ちました。
鴨鴨川は鯉を放流している関係か、そもそもあまり鮭の遡上を想定していないと見えて数十メートル間隔に鉄の柵があるのです。ここまでどうやって辿りついてのか分かりませんが苦難の道だったことには間違いありません。遡上中の鮭はだいたいそうなのですが満身創痍の体。それがこの旅の厳しさを語っています。
この二匹、この場所を最後とは思っていないようで、何度も何度も鉄の柵の間に頭をつっこんで体をくねらせていました。でも鉄の柵は細く、さらに多量の落ち葉で詰まっていて先には進めそうにありません。
まだ行く先があるんだとその姿が力強く語っています。この繰り返しをするうちに柵の向こうに抜けられるのか、それとも意を決して飛び跳ねて先に進むのか。
上の画像、見えるでしょうか、落ち葉が詰まっているので水位より高いところから水が流れ落ちています。これではなかなか先に進むのは難しい。でも鮭は時折目の前に立ちはだかる滝のような場所もあがって行くので、そのうちここを跳ねて飛び越えるのかもしれません。
こんな都心の景色の中で、自然のドラマが繰り広げられていました。