唯一無二の三笠の魅力を書き留めておくシリーズ、2回目の今回は幾春別駅です。一般的には駅の名残は石碑だけと言われていますが実はそんなことはありません。おさんぽしながら見ていきましょう。
幾春別駅はもう存在せず、線路すらありません。旧幾春別駅というのが正しいでしょうか。幾春別駅跡というのが正しいでしょうか…
幾春別駅
幾春別駅はかつて存在した幌内線の終点となる駅。明治21年に開駅、当時は同じ幾春別でも字が異なっており郁春別の字が当てられていた。翌年幾春別駅となる。今は駅跡地に路線バスのバス停が置かれ、トイレとバス待合室を兼ねたログハウスが置かれドライバーたちの休憩所となっている。

ログハウス風のバス待合所は幾春別駅を模して造られているとも聞いたことがあるが現役時代の幾春別駅を写真でしかみたことがないので判断できず。ただ写真で見た現役時代の駅舎はこれよりかなり大きかった。場所は元の駅舎の位置とは異なる。
幾春別駅はかなり広かったはずである。跡地が他の廃駅より圧倒的に広いし幌内線の終点であった。引き込み線の土地も含めかなりの規模の駅だったと思われる。駅の両側に炭鉱を有している地区(奔別炭鉱、幾春別炭鉱)のため貨物の取扱量は幌内線一位であった駅。

古地図で確認するとちょうどこのバス停(停車中のバイクの後ろ)あたりが駅舎のあった場所だと思われる。古地図ではその後ろ、今は草原になっているあたりにまるい転車台があったが。上から見れば分かるかもしれないが草が生い茂ってしまいわからなかった。見切れてしまっているが右側には交番がある。

廃線直前の時期より便利になったのではないだろうか
時刻表を確認するとおおむね一時間に一回バスがやってきてくれる。2回くる時間帯もある。バスの利用者は多くないが、これに乗れば三笠市街地、イオン三笠店、岩見沢まで行ける。買い物や通院にはなくてはならない存在のはず。だって、ただでさえ廃鉱後人口が激減したこの地区、私が知るここ10年の間だけでもさらにあちこちの店がなくなってしまった。幾春別で生鮮を買える店舗はなくなってしまった。散歩している感じでは周囲に病院も見かけない印象(三笠市街地まで出ればあります)。
ほとんどの人が車で生活している地域だけど、バスは今後もこのペースで来てくれると嬉しいね…
※セラーズ幾春別店が閉店し、本当にこの周囲の方々の買い物事情が心配でしたがコープさっぽろの移動販売がかなり細やかに回っていることが分かりほっとしました。今後も末永く続きますように
余談だがバスの路線図をみても線路を見ても、やはりこの辺り一帯の一番の拠点は昔から岩見沢なのだなぁと実感する。
実は石碑だけではない、幾春別駅の跡
幾春別駅に関しては「駅としての名残は何もない」「石碑が建つのみ」との口コミやサイトが多いです。ですが実は少し周囲を散歩すると駅だった名残が見えてきます。

ホームの跡が残る
幾春別駅跡地に立ったら、幾春別市民センター側に歩いてみます。時間にして2分くらい?1分強?すぐ近くなので是非行ってみましょう。

市街地入口を左に見ながらこの交差点を右に曲がります。するとそれはすぐ目に入ります

草に埋もれるように残るホームの跡。ホームの上にも草木が茂っている。廃線後の長い年月を目の当たりにする感じだ。
ここは跨線橋があった辺りといえばピンとくる方もいるだろうか。

場所的に貨物ホームではないかと思う。上記で触れたように貨物の取扱量が半端なかった駅なのでこの辺りは常に人がせわしく動き回っていた場所。活気があった幾春別のかつての風景に思いを馳せる。

畦道のような未舗装の場所に入ってから撮影。少し草木に埋もれがちだがホームが見える。
手前の広い緑の一帯は線路があった場所。
このホームは古地図で確認する感じだとおそらく跨線橋のちょうど真ん中下あたりにあったホームではないかと思う。当時を知る人に話を聞いてみたい。跨線橋は線路撤去後もしばらく残っていたようで、写真でしか知らないがたいへん立派な跨線橋。行き交う人々の多さを物語っていた。
そんな訳で今回は、幾春別駅跡をおさんぽしました。三笠の魅力に惹かれて幾度となく訪れてしまう幾春別駅跡。これからもよろしくね
三笠の魅力を追って#2幾春別駅