今回はちょっと特殊な玉垣です|すすきのにある豊川稲荷札幌別院の玉垣に遊女の名が刻れているらしい_その16


前回からだいぶ期間が開いてしまいましたが、続きです。

今回見ていく玉垣はちょっと特殊というか、今までにない情報をもっている玉垣です。

左側の三つの玉垣は前回みたので今回は中央の大きな玉垣についてです

参拝者駐車場の白い看板の真隣にある大きな玉垣。

ここは出入りがあるような場所なので、そのせいもあってか大きく削れてしまっています。削れたところにコンクリートが塗られ上部は全く判別がつきませんが、割れてしまったから撤去しようではなく一部コンクリートになってしまっても残してくださった判断に感謝。

さて、文字のある所をクローズアップ。

右側の小さな文字から読んでいきます

「停車場通」という文字が見えます。

停車場通りとはこの寺院がある通りそのものです。

今でも札幌駅からまっすぐのびているこの道は「札幌駅前通」と呼ばれ、札幌駅と中島公園をまっすぐ結ぶ都心部のメインストリートです。

そして次に「停車場通」の次の文字なのですが、動画ではこれを「全」と読んだのですがその後調べ直してやはり「金」のほうが近いかなと思うのですよね。ということで今の駅前通りを古地図にて金で始まるお店など見ていったのですがみつかりませんでした。今後の課題です。

大きな文字の行に移り、最初の屋号は欠けていますがカクナカ と推測できますね。そうかこの記号を頼りに古地図を見ればよいのか…!と、もう一度停車場通の古地図を札幌停車場通から見ていくと…ありました!

古地図をサイトにのせるには札幌市関係の許可がないといけないようなので載せませんが、停車場通り沿いの道庁(これも現在と変わらない位置にあるのがなんとなく嬉しい)付近に同じ屋号がありました。。札幌停車場から歩いて行くとすると五番館を抜けた数軒先です。右側に行けば道庁といったあの付近。現在はみずほ銀行札幌支店がある所です。一等地ですね。

そして名前は

「橋本秀松」と読めます、これも古地図と同じです(万一読みが間違っていたとしても字自体は古地図と玉垣が一致します)。

今まで見てきた玉垣から言うとこの寺院から結構離れた位置(大通を挟んでさらに向こう)からの寄進です。で、さっきの話題に戻りこれがなんのお店かというのが分からずじまいです。というのはこの場所は古地図のちょうど折り目部分にあたっていて、擦れてしまっていて読みにくいんです…

停車場通の次の文字が金だとすると、質店や時計店・宝飾品を扱うお店などでしょうか。他店の二倍の面積を誇っているのでお力のある店だったと思うのですが。いや、停車場通に続く「金」なので場所を指すことばだとも思えますね。金座・銀座のような。

そしてこの玉垣、冒頭でも申し上げた通りすごいのが、電話番号が彫られているのです。

細く「電話三三五番」と彫られているのが見えるでしょうか。当時の古地図をみると札幌停車場の電話番号は「四」となっているのです。本当に「4」だけで札幌停車場につないでもらえたのでしょうか。しかも古地図ではこの玉垣の場所は郵便番号も三三五。郵便番号にいたっては地図内で桁もバラバラなのですがどうなっているのでしょう。地域で割り振られる三桁以下のところだけを記しているのでしょうかね。

そんな訳で今回は貴重な電話番号付きの玉垣をご紹介しました。

次回に続きます

動画派の方はこちらもどうかご覧ください。


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