当時の北海道多額納税者の名前を発見。すすきのにある豊川稲荷札幌別院の玉垣に遊女の名が刻れているらしい_その19


前回で最終回としていた玉垣をみていくシリーズですが、先日さんぽをしていてふと新しい名前が目に入ったので延長しました(笑)こちらの石をごらんください

駅前通りのすぐ脇に、見番の石の後ろに隠れるようにしてもう一つ石があります

正確には玉垣とは異なるのかもしれません。

豊川稲荷札幌別院の駐車場脇に見番の石が残っているのですが、そのさらに後ろに少し隠れるようにしてあった一本の石。

名前を書く位置や玉垣と比較した形の違いから言って少し性質のことなる石かもしれません。そもそも見番の石ももともとここにあったものではないでしょうから、同じような時代の重要な歴史の証としてこちらに移動してあつめて収められているような気がします

こちらの名前、波多野三郎とはっきり書かれています。このの字がくずし字なので迷っていたのですが、「輿」という字のくずし字がこの画像の字にかなり似ていたので、やはり與三郎と読むのではと今のところ解釈しています

こちらの波多野與三郎さんという方は、明治14年生まれの北海道多額納税者として今も名前が残っていました。住所は札幌南四條西二ノ一三とあるので、すすきの中心部、うなぎのかど屋さんとかアパホテルとか、向かいには札幌かに家とかあるあの一角だと思います。酒造業で名を馳せた方のようです。近くに醸造所を構えていたのかもしれません。札幌にもいくつかお酒のメーカーがありますが、その流れを汲むメーカーは今も残っているのでしょうか。

今回の石は時代も少し薄野遊廓の時代と異なるので、こちらは玉垣ではないと仮定していますが、やはりこうして石に名前が残るというのはかなりの実力者であることが分かります。豊川稲荷札幌別院の玉垣に乗る名前は、選りすぐりの当時の実力者勢ぞろいといったところなのだろうと思われるのでした。

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