若かりし頃のトリスおじさん?日本最北の地で見つけたトリスおじさんによく似た彼は…


日本最北の地稚内市に、日本最北の水族館ノシャップ寒流水族館がある。場所はノシャップ岬の隣りというまさに海の間近。アザラシに特化した水族館といって良いほどの小さな水族館ではあるが餌やりもできて価格も良心的、かわいらしいアザラシたちに癒される楽しい水族館なのでぜひ立ち寄ってほしいスポット。

ノシャップ寒流水族館。かわいいアザラシやペンギンに会える
南極越冬隊資料館展示コーナー。勇気を出さないと入れない雰囲気

水族館は入館料500円という安さで、隣接の稚内青少年科学館にも入れる。そして青少年科学館を抜けると少し離れた場所に倉庫のうような建物がある。南極越冬隊資料展示館。建物には南極越冬隊資料展示コーナーと書かれている。見るからに「使われていなさそうな倉庫」なのだが入ってよい。近づくとドアに「入り口」の張り紙があるので勇気を出して入ってみる。

南極越冬隊資料展示コーナーの内部。実際の雪上車など価値のあるものが並んでいる

実際の南極昭和基地の一次隊の建物(コンテナと言ってよさそうな形をしていた)が見られたりしてなかなかすごい。当時の新聞などの資料も展示されていたのだが、読んでいるうちにふと広告の方に目が行ってしまった。

昭和31年のトリスウイスキーの新聞広告。トリスおじさんが生まれる2年前

トリスウイスキーでも、トリスウヰスキーでもない。トリスウ井スキー。

トリスおじさんが誕生したのは1958年なので、その二年前の広告ということになる。その姿はさながら若かりし日のアンクル・トリス。この若い男性が人生山あり谷ありで色々あってあのアンクルトリスになったのだろうと思うと感慨深い。若いだけありちょっと顔周りがシュッとしている。ギリ首的なものがあるし。カクテルではなくコクテールの表記なのも素敵。今では当たり前のように皆「グランプリ」と表記しますが広告内は一貫して「グラン・プリ」。英語だとGrand Prixなのでどちらかといえばこのグラン・プリ表記がベターな気もしてくる。広告全体のレトロな雰囲気がぐっときます。

右側に(トリスウ井スキー)ポケット版125円とあります。時代の価格の変動を考えるとむしろ今より少し高級だったのかもしれない。

一番上の行には

「洋酒祭に協賛して日本ではじめてのホーム・コクテール・コンクールを催します。好もしい色・味・香りの傑作をお寄せください!」とあります。この「好もしい」も近年ではあまり使われる表現ではなく、言葉の端々に感じるレトロが最高だ。

北の果てで起きた嬉しい出会い。これを見にノシャップ寒流水族館まで来てくれとは言えませんが、この出会い抜きに日本最北の水族館はちょっとコンパクトでかわいらしく、アザラシたちは予想以上に近くて楽しいところでした。とくに餌やりは別の水族館の1/5の価格でできて感動。是非行ってみてください。水族館に併設されいてた稚内青少年科学館は大人の方がハマってしまいそうな楽しさがあります。北海道の北の方を観光する際にこの辺りはお勧めですよ。

ノシャップ寒流水族館の場所