前回まで見てきた大雪像のさらにもう一段階大きく感じた今回最大と言っても良い巨大雪像。
おそらく大きく見えたのは雪量の違いでしょうか。迫りくるような配置や構図によるものでしょうか。迫力が桁違いです…
雪像の正式名称は
ウポポイ(民族共生象徴空間)×『ゴールデンカムイ』
となっていました。
高さ約12メートル、幅20メートル。
そして奥行き15メートル!迫力の正体はこれでしょうか。後ろに山々が聳えているのでこれくらいの奥行きは必要なのでしょうね。もはや雪像の巨匠というべき存在、陸上自衛隊制作です。
チセも藁の感じまで精巧につくられていました。
聳える山々にエゾ松、チセ、少し後ろの白石、キリリとした意志の強い目を持つ二人の構図が素晴らしいですね。人物って難しいでしょうね…
話が少し横にそれますが、雪まつりの雪像、作ってみたい人はまずはキャラもの以外で挑戦してみるのが得策かも…というのが私の感想です。
雪まつり会場を歩いていると感じるのが、キャラものは相当難しいということです。みんな「ホンモノ」に慣れているので少しでも違うとギャラリーの意見は手厳しい。とくに厳しいのは訪れた子どもたちで、「こんなの〇〇じゃない」「へんなのー」と残酷なほどの素直な感情が飛び交います。キャラものを選んで制作した側は子どもたちを喜ばせたいという微笑ましい意図があったかと思うと非常に切ない話ではありますが…。どちらにしても「盛り上げる」という意味では一役買っていますが、評価となると厳しいですね。今回ゴールデンカムイの巨大雪像を制作するにあたり、キャラクターというのは非常にたいへんだったことと思います。色んな曲線だらけですしね。
顔のパーツの比率、配置、頬の膨らみや目の中の輝きの作り方、髪の毛の流れなどすべて細やかな設計が施されてさらに設計と寸分違わぬ作業を行わないとここまでのものは完成しないでしょう。
その中で、見事すべて正確で完璧なこちら。開催期間が過ぎてしまえば崩してしまうのが惜しいところです。
当然ながら杉元には戦争で出来た顔の傷があります。それも雪の彫りだけで作られていて極めて浅い凹凸なので、きっと雪がとけないか関係者の皆様はヒヤヒヤしたことと思います…完璧ですね。マフラーの柄も、マフラーのしわにいたるまで完璧。
極力雪以外にものは使わない雪まつりの雪像、目のキラキラもすべて雪の凹凸だけで見事に再現していました。深く彫られた場所は黒い色に近づくのを利用していくつもの溝をつけいくつかの色を出すようにしているのですね。
白銀の季節の北海道で出会った二人。厳しい北海道や樺太の冬を乗り越えた二人を白銀の雪で制作。
斜めから見るとアシリパさんと杉元の見据える先がぴったり一致しています。
一つだけ、これも雪なのかなーと判断できなかったのがアシリパさんのピアス(という表記で良いのでしょうか)。これは世界観を壊さない範囲で雪以外のものでつくったのかこれも雪で作ったのか…たとえばホースに水を入れて丸くして凍らせて、ホースを切り開いて中身を取り出して雪を巻き付けるとか…そんな感じでどうにかして雪で制作したのでしょうか。それだと開催期間中もたない気もするのでわかりませんが…
まあ雪像全体でみたらピアスは目を凝らさないと見えないほどのもので、そこまで正確に再現していることは間違いありません。とにかく見事で壮大な作品でした。
次回は雪まつりの本来のお楽しみ!?市民雪像のあれこれをご紹介します!力の抜けた作品から外国人観光客の撮影する手がとまらないすごい作品まで一挙にご紹介。お楽しみに!
“第74回さっぽろ雪まつりを歩くその3 いよいよゴールデンカムイの巨大雪像をご紹介!これはさすがに凄かった!” への2件のフィードバック
[…] 次回はいよいよ今回のさっぽろ雪まつり最大?の雪像、ゴールデンカムイの巨大雪像などをご紹介します […]
[…] 前回までは大雪像をご紹介してきましたが、4回目の今回は、なんとスルーしてしまう人も多いとか多くないとか(?)でおなじみ、市民雪像!私はこれが一番楽しかったりします。時代 […]