久しぶりに三笠の記事です。三笠にあった北海道ローカルコンビニの話。
かつて炭鉱で栄えた三笠市幾春別。今はほとんど建物がなく、あっても空き家がほとんど。
閉山後は炭鉱という仕事がなくなるので当然ながらほとんどの人が引っ越しを余儀なくされ、もともとこの地でお店をやっていた人などごく一部の人のみが残る状態となり賑やかだった町は急に閑散とした。

山の中に突如現れる町並み。昔は映画館やデパートも抱える繁華街だった。
現在は更地が目立つが空き家非常に多いのでそれを除くと建物は半分弱残ればよい方では
炭鉱とともにあった路線、幌内線も廃止され幾春別駅もなくなり、駅前一等地だったこの地もどんどん寂れてしまったが、この地にコンビニが一軒、ほんの数年前まで(2021年11月まで)あったのである。
それがこちら、セラーズ幾春別店。

開店は平成17年9月だったそう。平成といったらもうこの辺りの人口はとうにピークを終え、路線も駅もなく(あれば駅前一等地であった)、ましてや平成17年ともなれば幾春別はほぼ今の姿(非常に人口が少ない&空き家が多い)の状態だったと思われる。
なぜ平成17年の時点でセラーズが開店したのか分からないが、もともとこの地にお店を構えていた方が業態転換という形で始めたのであろうか。セラーズの側面側に以前八百屋があったはずなので何か関係があるのかもしれない。交通量だけは今もたいへん多いので、ドライバー客を見込んでの開店だったのかもしれない。
「sellers(セラーズ)」は北海道ローカルのコンビニ。北海道ローカルのコンビニというとセイコーマートが有名ではあるが、セイコーマートが茨城や埼玉に出店していることを考えると真・北海道ローカルのコンビニがこのセラーズである。今は数が減りつつあるが、このコンビニが非常に懐が深い。お店の自由度が高いというのか。この幾春別店もそうだった。買い物難民とも言えるこの地の住民に、とことん寄り添っているのが分かる店内だった。
以下幾春別店営業中のころの写真

これが観光地だったらともかくコンビニだったので、いつでもそこにあるという安心感からかほとんど写真が残っていないのが悔やまれる。
右端から順に…
まず一番右下に、切れてしまっているがここにあるのは「白龍」というちり紙。ちり紙というのがもはや死語かもしれない。昔はトイレットペーパーのようなロール紙ではなくチリ紙といって一枚一枚に分かれたトイレ用の紙を使っていたのだが、それがこの時代に大量に山積みされている時点でもうこの地にどれだけ寄り添っている店だったかが分かる。
傘も売られ、ハエたたき(これも今やあまりみかけない)もあるし、日持ちする系のお菓子はたくさん取り揃えられている。
缶詰も。果物系よりおかず系が多いのも好印象。
100円均一っぽいお菓子はこの地の人にもドライブ途中の人にもかなり重宝されたはずである。そして左側はどどんと100円ショップコーナー。
2022年あたりから、セブンがダイソー商品を一部取り扱い始めたが、それよりはるか前から100円ショップコーナーがつくられ、限られたスペースにあふれるように100円雑貨がおかれていた。しかもタッパーやビニール紐、裁縫道具やコップなど、生活に密着した商品を選んで置いている。撮影時期はおそらく2011~2012年のもの。
車がなくこの地に住んでいたとしたら100円ショップなど実際には交通費でたいへん高くつくし、ほとんど行ったこともないような場所だろうが、これは本当にありがたかったと思う。殿様商売をしようと思えばできたはずのこの地で、かなり良心的な店だった。
そしてこのロウソクの量。

コンビニではまずみかけない量…ロウソクの横にはお線香、その下は電池ですね。上にチャッカマン的なものも見えています。さきほどのビニール紐とかおいていた側の棚だけが100円コーナーかと思っていましたが、こうしてみるとその裏側まで(中央右側にみえている棚はすべて)100円コーナーですね。ほうきまであります。おしゃれな小物は置かず、生活用品に全振りしています。
この辺りは以前人口が多かったこともあり、寺院がとても多い。まして高齢者の多い地区なので、それに合わせるとこういう品揃えになるのでしょうね。
覚えているのは住民がレジでお店の人によく相談をしていた光景。たぶん取り寄せてほしいとか送って欲しいとか、そんな相談だったんだろうと思う。お店の人もそれに一生懸命応えてやりとりしていたのを覚えている。住民にとってこのお店がいかに頼みの綱的存在だったかという証であった。
野菜など生鮮系もあった。


写真はないがコンビニの大元がお酒の会社なので特にお酒・ドリンクは充実していた
コンビニとは思えない野菜の充実っぷり。たまごもフードコンテナに入って床に山積みされていた。他漬物、酒類(セラーズは北海道酒類販売の子会社なのでお酒にはめっぽう強い)なども充実。近年コンビニでも生鮮を多少取り扱うが、ここで早くからなるべく生活に必要な生鮮をなるべく多くというラインナップになっていた。
場所柄、この道を通るドライバーたちにとってもここは重要なお店で、向かいの広い旧駅前(現在はバス停で駐車スペースもある)に車を停めて休憩する際にも重宝された、飲み物や雑誌、お弁当おにぎりなんかが調達できる場所ではあった。雑誌は大手コンビニと全く変わらない程揃っていた。
そんなセラーズ幾春別店も2021年とうとう閉店。
幾春別で唯一生鮮食品が手に入る場所だったが…本格的に買い物どうするんだろうと調べたところ、コープさっぽろが買い物困難なこの地区を実にきめ細かく移動販売車で回っていることが判明、さすがコープさっぽろと胸をなでおろした。
こんなに住民によりそったチェーン店もそうないのでは、と時々セラーズ幾春別を思い出したりする。
かと思えば札幌某所の別のセラーズは、コンビニという体ではあるが入ってみるとほぼ駄菓子屋になっていて、主にキッズにこよなく愛されている様子。まあ最初はもっと「セラーズ」していたけどだんだん今の形になったのでしょうね。
懐が深いセラーズ。大好きな北海道ローカルコンビニです。


